仏像名

みろくぼさつりゅうぞう

室生寺
制作年代

    重文
平安時代

弥勒菩薩立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造
素地

樹 種

像 高

95cm

製作者

安置場所

弥勒堂

開扉期間

解 説

 山岳仏教の霊地である室生寺に伝わるこの像は、山口の神福寺像に代表される渡来檀像を、我が国で模した彫刻と思われる。
「日本の彫刻」 久野健編 吉川弘文館 1968年より

 弥勒堂の本尊で、須弥壇上の厨子内に安置されている檀像風の素木の小像である。檀像とは白檀などの香木で、仏像を刻んだものをいうが、白檀は日本に自生しない高価で細い材で、檀木に恵まれない我が国では天平時代以来、中国から請来された檀像に倣って木目の細かい良質の材で彫刻する例が多い。
 この像も榧の一木造りで、本体はもちろん、蓮華座の上半分と、両手・天衣・瓔珞なども含めて一材から刻んでいる。
 彩色をほとんど施さないのも檀像の特色で、ここでも髪の群青、眉、髭、瞳の黒書き、白眼の白土、唇の朱以外はすべて素地のままである。
 宝冠、天衣の一部等が、後補の他は保存も良く、我が国の檀像風彫刻の代表的作例である。八世紀末から九世紀にかけての造像とみられ、修円の伝法院以来の本尊とする説もある。なお、厨子は鎌倉時代。
「女人高野 室生寺」2005年より

私 の 想 い

 右手は体から少し離して、肘を伸ばして真直ぐ下に降ろし、腰の前下がりの飾りを親指と人差し指で挟む。右腕に沿って天衣が翻り、手首に絡まって足元のだ座に垂れ下がる。
 左手も脇を離して、肘を直角に折って前に出し、五指で蓮華の長い茎を握る。左右の脚が別々に波打つ衣文を刻む。可愛いお坊ちゃまの弥勒さんである。
 平成22年11月に遷都1300年「仏像観て歩き」として訪問した時には、次のように書いている。
 弥勒堂の奥まったお厨子の中でひっそりと立っている。脇の部屋には、偉いお釈迦様が控えて居られるので寂しくはない。すでにお釈迦様は戻っていました。
 今年はカビや蜘蛛の巣で話題になった新潟市立美術館から長岡の県立近代美術館で代替開催されて、新潟県も面目が立った。

弥勒菩薩立像画像一覧その1
弥勒菩薩立像画像一覧その2
弥勒菩薩立像
室生寺に戻る
室生寺画像一覧その1
室生寺画像一覧その2
室生寺画像一覧その3
室生寺画像一覧その4
室生寺画像一覧その5
室生寺画像一覧その6
室生寺画像一覧その7
室生寺画像一覧その8
室生寺花華一覧その1
室生寺花華一覧その2
室生寺花華一覧その3
室生寺花華一覧その4
室生寺花華一覧その5
室生寺花華一覧その6
室生寺所蔵仏像
金堂
釈迦如来立像 十一面観音立像 文殊菩薩立像
薬師如来立像 地蔵菩薩立像
子神立像 丑神立像 寅神立像 卯神立像
辰神立像 巳神立像 午神立像 未神立像
申神立像 酉神立像 戌神立像 亥神立像
弥勒堂
弥勒菩薩立像 釈迦如来坐像
潅頂堂
如意輪観音半跏像
室生寺に戻る

弥勒・不空羂索の所在と制作年代