仏像名

にょいりんかんのんはんかぞう

室生寺
制作年代

    重文
鎌倉時代

如意輪観音半跏像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

78cm

製作者

安置場所

潅頂堂

開扉期間

解 説

 潅頂堂(本堂)の正面須弥壇の、上の厨子に安置される六臂半跏の思惟像で、観心寺や神咒寺の、それと共に三如意輪として知られている。
 像は桧材の一木彫成になり、宝冠や条帛などに古様を留めるが、肉付けや衣の襞の彫りは、浅く穏やかにまとめられている藤原時代も早い時期の製作とみられる。
 厨子・須弥壇は鎌倉時代のもの。なお、現在は潅頂堂の正面の長押上に掲げられている「悉地院」の扁額は旧悉地院のもので、かつては現鐘楼の辺りにあって、この如意輪観音菩薩を祀っていたという。
「女人高野 室生寺」2005年より

私 の 想 い

 右手の第1手は、例によって膝に肘を着き、手の平を右頬に当てている。第2手は同じく肘を右ひざに乗せ、そのまま前に出して、数珠を握る。第3手は、右腋の下から上に出して手の平に宝珠か、化仏を乗せている。
 左手の第1手は、肘をVの字に折って、人差指を天に向け指先で宝輪を操る。第2手は肘を伸ばして台座に手を着ける。第3手は左腋の下から前に出し、蓮華の蕾の茎を五指で握る。
 また、立て膝の右足と半跏に組む左足の足裏同士を重ねている。何処の如意輪観音様も頚を曲げて、手の平に載せているような事が多いのだが、ここの如意輪観音様は、頚は真直ぐにしている。眼は閉じているのでうたた寝中なのかも知れない。
 平成22年11月に遷都1300年「仏像観て歩き」として訪問した時には、次のように書いている。
 如意輪観音像には、幾つかのタイプがある。
1.古くは二臂で半跏像がある。
 奈良・岡寺本尊・・・奈良時代
 滋賀・石山寺本尊・・平安時代 1096年頃
.二臂である。右手を頬に当てている。半跏像である。
 奈良・岡寺本尊胎内仏・・・奈良時代
 京都・広隆寺・・・平安時代
 奈良・法隆寺・・・平安時代
.六臂である。右手の第2手を右頬に当てている。立て膝で座る。
 大阪・観心寺・・・平安時代
 奈良・橘寺・・・・平安時代
 京都・大報恩寺・・鎌倉時代
 奈良・元興寺極楽坊・・鎌倉時代
等がある。
 岡寺の本尊は、半跏像であったものを結跏趺坐に組み替えている。石山寺では秘仏公開で拝観しました。左膝を間近で拝観出来て、膝を撫でたい衝動に駆られました。大阪・観心寺像以後の如意輪観音というと、六臂のものが多くなり、この形式が定着する。橘寺では、特別拝観として、お厨子の脇扉からの拝観を許され、露わな左太腿を拝むという体験をしました。更に、重文ではないが、奈良・元興寺極楽坊像は、私の好きな如意輪観音坐像である。

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