仏像名

ふりがな  こうさんぜいみょうおうぞう

教王護国寺
制作年代

国宝
平安時代

降三世明王像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

173cm

製作者

安置場所

講堂

開扉期間

解 説

 降三世明王を例に取ると、この明王はヒンドゥ教のシヴァ神が、仏教に採り入れられて出来た尊像で、東寺像にはインドから、中国を経て日本に伝わる間に、中国の国民性により、官能的な肉体の表現を、抑制された姿が伝えられているだろうし、また、空海が唐から持ち帰ったのは図像であったから、仏師が図像を手本にして彫像を造る時に、生じる写し崩れもあったと考えられる。
 この二つの変更が加えられて、この降三世明王像は、インドで造られた原形を相当変えてしまったが、それでも、筋骨隆々のさまを表わさない肉体の表現法には、インドの彫像に見られる豊満な肉体の表現に通じるものが残っている。
 インドでは、この豊満な肉体に、豊かな生産を獲得する呪力がこもっていると信じられた。この降三世明王像の特殊な肉体の表現法は、他の明王像にも共通し、密教像の一特色になっているのである。
「京都の仏像」 淡交社 1968年より

私 の 想 い

西方の段の東南隅に立つ明王である。三面三目八臂で中央の手がこの像の印である。降三世印を結んでいる。
 降三世印とは両小指を絡ませて、両手の左右を入れ替えた形の印である。足下で仰向けに寝た悪人の腹を踏まえている。踏まれた足で腹が凹んで、下腹が膨らむ。
「悪人はこうなるのだ。判ったか。えへん、ざまみろ」
だと。得意がって、見得を斬る。そして、このポーズである。
 三面三目八臂の活躍である。向うところ敵無しといった案配である。

降三世明王像画像一覧その1
降三世明王像画像一覧その2
降三世明王像画像一覧その3
降三世明王像
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