古寺巡礼
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仏像名で寺を探す
仏像観て歩き 京都編1

名  称

ふりがな

だいごじ

醍醐寺

俗称又は愛称

伏見区醍醐伽藍町1

最寄駅

開  祖

沿  革

醍醐寺は聖宝理源大師が貞観十六年(874)に上醍醐の山上に小堂宇を建立して、准胝・如意輪の両観音像を安置したのにはじまる。
 そのうち醍醐・朱雀・村上三帝の御信仰がよせられ延喜七年(907)には醍醐天皇の御願による薬師堂が建立されるに至って、上醍醐の伽藍が完成した。
 それに引き続くように、下醍醐の地に伽藍の建立が計画されて、延長四年(926)に釈迦堂(現在の金堂)が先ず建立され、続いて法華三昧堂などまでも建立され、天暦五年(951)に五重塔が落成し、その完成を見たのである。
「醍醐寺」縁起より

私の想い

 醍醐寺で思い出すのは、昭和45、6年頃に、月末の日曜日でした。今月は少し余裕がありそうなので、今日は京都の醍醐寺に行って見ようと近鉄線河内山本の家を出た。鶴橋で環状線に乗換え、更に京橋で京阪電車に乗換え、京阪三条に向った。
 京阪三条駅からタクシーで醍醐寺に向おうと思っていた。駅に降り立ちタクシー乗場に行こうと思い、尻のポケットに手をやり、財布を取り出した。
 財布の中身を見て驚く、有るはずの1万円札が無い。1万円あれば醍醐寺に行って来られると、思って来たのである。ところが有るはずの1万円札は、昨夜家賃として支払って、残りのつり銭で、ここまで来た事に、今、気付いた。
 さて、残金ではとても、タクシーで醍醐寺までは無理である。そればかりか、河内山本までの電車賃もないのではないかと駅に戻り、運賃表を見る。どうやら、鶴橋までは帰れる。ほっとして、真直ぐ帰るか、知り合いを訪ねて借金しても行くかである。
 仕事では、車で毎日のように京都の厚生会、ジャスコ、ニチイの店に来ていたので、店の知り合いに借りる事も出来ない事もない。しかし、遊びのお金がないので借りに来たでは情けない。今日のところは、大人しく帰る事にする。昼には,家に帰って静かに寝る。若い頃の金欠病の情けない一日でした。
平成16年5月「仏像観て歩き」では、次のように記述している。

 醍醐寺はそれ以後来る機会がなかった。醍醐寺は、上醍醐と下醍醐からなっている。上醍醐の登山口は女人堂からはじまる。登山口からいよいよ登りに掛かる。
 杉や檜の林の中に登山道がある。登山道の中の谷川のせせらぎを、聞きながら登る。半分位登った所で、木漏れ陽の枯れ葉がかさかさと鳴る。眼を凝らして見るとトカゲが陽光で緑色の背を見せていた。
「びっくり、させるな」
と地団太を踏んで追う。
 左側から谷のせせらぎが、聞こえるように成った時、下を見ると断崖絶壁の谷になっていた。木が途中に生えているから、下まで落ちる事はないが、かなりの深さと急な斜面である。
 途中右側に不動の滝があり、石のお不動さんが迎えてくれる。疲れた身体に滝の水を、補給して意気を吹き返す。
  ホトトギスが「東京特許許可局」「東京特許許可局」と励ます。鶯も「お前もがんばれ」「お前もがんばれ」と鳴きたてる。
 老人を追い越した。道端に休息用の板の簡易に作った腰掛がある。また、一服していると追い越した老人も腰掛けて休む。
「この歳になるとしんどいわ」
とぼやく。
「家内と来たのだが、早よ行って、帰ってやらないと弁当はわしが持っているので」
と先を急ぐ様だが、身体が結う事を効かない。
「私も歳ですが」
と言って先に腰を上げた。林の中を登り切ると今度は下りに掛かる。折角登ったのにと思う。
 40年前に、テントを背負って、妙高山、火打岳、焼岳の縦走を思い出した。火打岳から下る山道も焼岳を登る山道も見える。これは見えるだけに残酷だ。今日は見えないだけに良いと言える。
 今までは山の裏側を登っていたのだが、下りになって表側になった。木の間より空が見える様になって来た。
 林のトンネルの中を登って来たが、「醍醐水」という湧き水の拝殿があり、水を飲む事も持ち帰る事も出来るらしい。水を飲んで英気を養う。
 そして、右側の石段を登る。「准胝堂」があり、その右側を更に登る。左に行くと「五大堂」がある。五大とは、五大明王の事で、不動明王、降三世明王、大畏徳明王、軍茶利明王、金剛夜叉明王の五つをいう。ここを拝観して、五大明王にも対面した。
 突然大きな音で「だだだだだだだだあ」「だだだだだだだだあ」と連続で何かを連打する音だ。スピーカーで放送しているのだろうか。それならその音の後で、説明がありそうなものにと思う。と、
「ああ、」
ひょっとしてあれではないかと察しが突いた。
 丁度同じように音を出す、チェンソーで作業をしていて、休憩いる人達に、この音は啄木鳥の音ですかと聞く。そうだという。
 今の音は生木を叩く音と言う。枯れ木はまた音が違うと言う。ここ等の人は音を聞き分ける。迷惑も心得ない音だが鳥では仕方無い。
 五大堂を右に登ると「如意輪堂」「開山堂」「薬師堂」と続く。「開山堂」からの眺めが今までの疲れを一挙に解消してくれた。
市内の南部、宇治、八幡、枚方方面が一望出来る。手前は東山の山並みの緑と、町並みの白ぽさ、平地は田圃と畑、宇治川の水面、向こうの山並みは、天下分け目の明智光秀の天王山だ。左の奥には、生駒山、その左が奈良市内だ。一緒に眺めていた人曰く。大阪湾も見える。淡路島も見える時がある。
 4、5年前は大阪城も見えたが今はビルの影で見えなくなったという。伏見城も見る人が見れば判るというが私にはどれがそうだか判らない。
 陽は高いが下るとするかと下り始めた。登って来て、下りに変わった場所で、追い越した老人夫婦に会った。そうだ、家内が後からと言っていたが、奥さんを待ってここまで登って来たのだと思った。偉い人と感心する。
弁当の事を心配されていたので、
「お昼は食べましたか」
と聞いた。当然食べて登って来たと思っていた。ところがまだ食べてないという。
「頂上は直ぐだし、天気も好いし、そこで食べた方が美味しいですよ」
と我慢して食べないで、ここまで来た老人夫婦に声を掛けた。このお父さんは本当に偉い方と更に感心する私なら当然食べていた。
「わや、ですわ。鼻血まで出してしまって」
と自嘲して奥さんが言った。鼻には白い物が見える。
 手には何も持っていない。優しいお父さんが当然、持ってくれているのだろう。やさしい心の温まる老夫婦の物語でした。
 平成17年4月「仏像観て歩き2」で訪問した時には、次のように記述している。
午前7時半に起床して、朝食を食べて8時過ぎにホテルを出る。最初の寺は5月に来て、上醍醐に行っているので、道は判っている。1号線で山科に出て、奈良街道を左に行く。
 9時から開門というのをしばらく待つ。去年の5月はケヤキの新緑がまぶしかったが、今回はしだれ桜が3〜4分咲きで、染井吉野は開花したところである。去年からの念願が叶って大変うれしい。
 醍醐寺は、平地の下醍醐に対して、山頂まで続く上醍醐を合わせて、醍醐寺であり、非常に大きい。前回4時間ほど掛けて、上醍醐に登ったので、今回は下醍醐を見ることにした。
 拝観するところは、三宝院の庭園と寝殿造りの部屋と襖絵の数々を見る。次に下醍醐の金堂で、薬師三尊を拝観する。最後に霊宝館で上醍醐にあった、国宝の薬師三尊を拝観した。この霊宝館の中庭のしだれ桜が七分咲きで、真に美しい。

醍醐寺画像一覧その1 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺画像一覧その2 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺画像一覧その3 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺画像一覧その4 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺画像一覧その5 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺画像一覧その6 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺画像一覧その7 醍醐寺の写真が楽しめます。
醍醐寺花華一覧その1 醍醐寺花華の写真が楽しめます。
醍醐寺花華一覧その2 醍醐寺花華の写真が楽しめます。
醍醐寺花華一覧その3 醍醐寺花華の写真が楽しめます。
醍醐寺花華一覧その4 醍醐寺花華の写真が楽しめます。
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醍醐寺花華一覧その7 醍醐寺花華の写真が楽しめます。
醍醐寺花華一覧その8 醍醐寺花華の写真が楽しめます。

醍醐寺所蔵仏像

金堂
薬師如来坐像2 日光菩薩立像2 月光菩薩立像2
三宝院護摩堂
弥勒菩薩坐像
五大堂
閻魔天騎牛像 大威徳明王騎牛像2
霊宝館
薬師如来坐像1 日光菩薩立像1 月光菩薩立像1
不動明王坐像3 降三世明王像 虚空蔵菩薩立像
軍茶利明王像 金剛夜叉明王像 大威徳明王騎牛像
阿弥陀如来坐像1 阿弥陀如来坐像2 聖観音菩薩立像
吉祥天立像 帝釈天騎象像 地蔵菩薩立像
如意輪観音坐像  不動明王坐像1 不動明王坐像2
西大門
金剛力士像(阿形) 金剛力士像(吽形)
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お礼とお詫びとお断り
当寺の記述を最後まで、ご覧頂きまして誠にありがとうございます。
厚く御礼申し上げます。下記の通り、お詫びとお断り申し上げます。

1.        仏像の写真を紹介出来なかった事です。勝手に掲載しませんでした。
2.        絵葉書、仏像解説書、国宝写真集等々で、有名な仏像については、ご覧になれる機会は多いと思います。
3.    それ等をご覧になりながら、もう一度ここにお越し下さい。 また、別の仏像の楽しみ方が出来ると思います。

4.        ここでは、国宝と重要文化財の指定を受けている仏像を紹介しております。
5.
   「国宝・重要文化財大全」彫刻 毎日新聞社 1998年より選定しました。
6.        像高も上記大全のものを小数点以下切捨てで、記載しました。寺や解説書等と多少違うかも知れません。
7.        掲載した「沿革」と「解説」は寺から頂いた資料や手持ちの解説書からのものを掲載しております。

8.        一番は、実際に寺に行ってご覧になることです。
9.    一つでも好きな仏像を決めて、訪ねると一層「仏像観て歩き」が楽しくなります。      以上