仏像名

ふりがな みろくぼさつはんかぞう

広隆寺
制作年代

国宝
飛鳥時代

弥勒菩薩半跏像

様 式

俗称又
は愛称

泣き弥勒と呼ばれている。

製作材質

木造
漆箔

樹 種

像 高

66cm

製作者

安置場所

霊宝殿

開扉期間

解 説

百済国からの貢献仏で、先の弥勒像と同じ飛鳥時代の作であるが、本像は眼が大きく切れが長く伏目で、口許を引き締めているから、べそをかいている様に見え「泣き弥勒」とも呼ばれる。
 この仏像も又、手足、衣などの彫法がすぐれており、安定感の横溢した優れた技巧を示し、整った美しい姿に表わされている。
 綬帯が仏像にはめずらしく牛皮であることも見逃せない。
「広隆寺縁起より」

 小さい方の弥勒菩薩像は、宝髻弥勒または泣き弥勒といわれ、聖徳太子が亡くなられた翌年に新羅国から献上され、広隆寺に賜わった像と伝えられている。
 その愁いの含んだ神秘的な容貌は、あたかも太子の死を悼み悲しんでいるかの様で、この伝承もあながち根拠のない話とは思えない。
 二体とも稀に見る霊像で、今や世界の至宝というも過言ではない。
「京都の仏像」 淡交社 1968年より

 この像は宝冠弥勒像とは、かなり作風を異にしている。衣の皺のたたみ方なども、なお左右相称的で、金銅仏のような手法が使われている。
「日本の彫刻」 久野健編 吉川弘文館 1968年より

私 の 想 い

失礼な言い方ですが、「アッカンベーダ」をしているように見える。中宮寺の弥勒さん前の宝冠の弥勒さんを見慣れている弥勒さんからは、かけ離れており、ユーモラスに感じられる。
 根拠のない、私の私的感じでは、頬杖を突くポーズの仏像は、朝鮮半島の影響の大きい仏像に多いと思う。日本古来の習性では、指を摘んで頬杖をするポーズはない。
 握りこぶしを頭に当てるか、手の平を頬にべったり着ける頬杖が主流である。「アッカンベーダ」はこの方のキャラクターで仕方ない。
 平成21年10月に京都・滋賀「仏像観て歩き」を「仏像観て歩き研究会」の仲間と一緒に拝観旅行を行いました。その時には次のように書いている。
 宝冠弥勒様よりも一周り小振りにできているが、半跏も踏み割り蓮華座に足を降ろした姿も似ている。片方は気品高く造り、もう片方はユーモラスに仕上げている。
 二躯が一対と考えると弥勒菩薩の幅が広がって面白い。更に金銅製の百済の似た姿の像と比べるのも面白い。
 私は勝手に「アッカンベーダ」をしていると言っています。しかし、「アッカンベー」は人差指だけでするものだが、この方は中指も副えて二本指で力が入る。そんなことを思いながら拝観すると更に面白くなる。


弥勒菩薩半跏像2画像一覧その1
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弥勒菩薩半跏像2
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