仏像名

ふりがな かろうらりゅうぞう

興福寺
制作年代

国宝
奈良時代

迦楼羅立像

様 式

天平六年(734)

俗称又
は愛称

製作材質

脱活乾漆造
彩色

樹 種

像 高

149cm

製作者

安置場所

国宝館

開扉期間

解 説

 インド神話上の巨鳥で、ビシュヌ神が乗る鳥、すなわち、金趐鳥である。龍を常食とする。
 請雨、止風雨、家内安全等の修法の際にこの神をまつるが、これは毒や煩悩、また害を与える一切の悪を食いつくし、人々に利益をもたらすところから来たものであろう。
「法相宗大本山 興福寺」より

私 の 想 い

 右手は肘を伸ばしたまま下に降ろす。左手は肘を折って胸の前にある。手首から先が失われてない。
 顔は鳥の形になっている。口ばしは雀のようであり、先が曲がった肉食の猛禽類の口ばしではない。左の方向を向いている。
 正面を向けている像が多いのに、左を振り向いている。この春に東京国立博物館に来ることになっている。左手の手首から先が無いのは仕方ないとして、右手の指先がどうなっているのかに、最も関心がある。それは右手の指先を考える手掛かりにも繋がる。 それに、鼻から上に連ねる鶏冠がどうなっているのかも気になる。海老のように観える額や頭頂も気になる。
 平成21年4月に東京国立博物館で開催の「国宝 阿修羅展」での拝観では、次のように書いている。八部衆については、腰紐がどのようになっているかを調べることをテーマにしました。
長靴を履いている。×の模様が入っている。
腰紐は、お腹の前で広く拡げ、左右両腰から下に長く垂れ落とす。
前掛けは、四角い形である。
 右手の指先は、ピアノを弾く時に、五指全部で鍵盤を弾いている指型に似ている。左手は、手首から先がない。しかし、右手の指型から想像すれば、同じようにピアノを弾くイメージトレーニング中ならば、五指共に少し折り曲げた形になっていたのではないだろうか。
 鳥の口ばしを持つ面相である。頭頂に木心の木口がのぞく。更に上に立派な鶏冠でもあったのだろうか。
 ボーイスカウトの少年達が赤や黄や緑のスカーフを首に巻き、肩から背に拡がるあれを巻いているのである。仲々のしゃれこきである。
 図録に載っている頭頂の写真を観ると、立派な大きな鶏冠があったであろうことが、想像出来る。額の方から連なる鶏冠の一部が、高くなり始めたところで、破損している。
 そして、木心の木口が飛び出しているから、その木口に盛り上げれば、立派な鶏冠は間違いなく着いていたと考えたい。

迦楼羅立像画像一覧その1
迦楼羅立像画像一覧その2
迦楼羅立像
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興福寺4(国宝館所蔵仏像)
仏頭(銅造) 仏頭(木製)
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梵天立像1 帝釈天立像 梵天立像2
弥勒菩薩半跏像 吉祥天倚像 広目天立像
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阿修羅立像 五部浄立像 鳩槃茶立像 緊那羅立像
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富楼那立像 羅睺羅立像 目犍連立像
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板彫り十二神将像
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波夷羅 因達羅 珊底羅 額儞羅
安底羅 迷企羅 伐折羅 宮毘羅
興福寺1(北円堂)
興福寺2(東金堂)
興福寺3(仮金堂)
興福寺4(国宝館)
興福寺5(南円堂)


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