仏像名

ふりがな めきら

興福寺
制作年代

国宝
平安時代

迷企羅

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造板彫り
彩色、切金文様

樹 種

ヒノキ

像 高

100cm

製作者

安置場所

国宝館

開扉期間

解 説

十二神将の一躯ずつを、桧の板に浮き彫りしたもので、もとはその本尊薬師像の台座にでも、羽目込められたかと想像される。珍しい遺品だ。
 極めて自由な彫り口で、思いきって激しい動勢を、薄い板面に巧みに刻み込む。そこには、とても立体彫刻には期し難い自由さがあり、しかも絵画とは違った、厚味のある立体感が生かされている。
 その誇張された表情姿勢には独特のユーモラスな味があり、後の板彫像には見られぬおおらかな作風を賞すべきであろう。
「仏像の美 見かた考えかた」 社会思想社 1968年より

 薬師如来の守護神で、東金堂本尊薬師如来像の台座周囲に貼り付けられていた。一枚の桧板に浮き彫りする(ただし因達羅大将像のみ二枚)
 正面を向く像一体、右向く像五体、左向く像六体で十二面がほぼ完形で伝わる。施された彩色は剥落が激しく素地をみせる。
 迷企羅大将が短い衣をつけ裸足で立つ以外は、いずれも武装する。頭部は焔髪、巻髪、また兜をかぶったり、天冠を着けたりする。武器を取り身構えたり、全身で躍動するものなどさまざまである。
 絵画と彫刻の要素、面白味、そしてそれ自体がかもし出す一種独特のユーモア感など、類例の少ない日本の板彫り彫刻の中で、きわめて珍しい像。
「法相宗大本山 興福寺」より

私 の 想 い

  動転しそうな格好は、悪を追い払おうとするところなのか、それとも、人間として出来る最高に変な顔とパフォーマンスで笑わそうとした格好なのだろうか。
 左手のパーと左足の足裏に力がこもる。

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興福寺4(国宝館所蔵仏像)
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興福寺1(北円堂)
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興福寺3(仮金堂)
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